医療法人社団芳晴会 愛児レディースクリニック

藤沢市遠藤の産科,婦人科 医療法人社団芳晴会 愛児レディースクリニック

〒252-0816 神奈川県藤沢市遠藤2957-1
TEL 0466-89-0055

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クリニック名について

『愛児レディースクリニック』名称の由来

平成2年1月某日深夜、電話が鳴り目が覚めました。「もしや…」、案の定大学病院の助産婦さんからでした。「もう少しでお産がありますけれど、来られますか?」「はい、行けます。」「どれ位で?」「15分位あれば行けると思います。」「じゃあ、来て下さい。」

当時医学部の5年生であった私は、臨床実習で産婦人科をローテートしている最中でした。2週間の間に、分娩を2件見学することというノルマがあったのです。
こんなこともあろうかと、いつでも出動?できる格好で自宅アパートで待機していた私は即座に部屋を飛び出し、雨の中を傘を差しながら全力で自転車のペダルをこぎ(当時新潟では珍しくない光景でしたが、道交法違反にあたるので決して真似はしないで下さい)、病院に向かいました。
すぐに分娩室に駆け込んだ時には、既に発露(赤ちゃんの頭が半分出かかった状態)で、間もなく元気な赤ちゃんが生まれました。もち論私が見た初めての分娩です。

まだ息も整わない私の目に飛び込んで来たのは、生まれたばかりの我が子を見るお母さんの笑顔でした。その暖かいまなざし、なんて美しいことか。それまでにはない感動がありました。
この瞬間、私の人生が決定しました。
それまでは、なんとなく消化器の外科医になろうかなと思っておりましたが、一転産婦人科医になろうと強く決心しました。

翌年、無事医学部を卒業し、横浜市立大学医学部付属病院で研修医としての2年間がスタートします。当時大学病院で、自分で自由に科を選びローテート出来るところは数少なかったので横浜市大を選んだのですが、それも広い視野で産科を見てみたいという目標があったからです。産婦人科はもち論のこと、救命救急センター、麻酔科、外科とローテートした後、横浜市大産婦人科学教室に入局し、本格的に産婦人科医としてのスタートを切ることになったのですが、ここで私に与えられた職場が『横浜市愛児センター』という公立の産院でした。(残念ながら、現在は閉院となっております。)建物は古く、決して豪華ではありませんでしたが、医師や助産師の質が高く、とてもレベルの高い分娩を行う施設でありました。ここで経験した分娩、先輩の諸先生方より学んだ多くのことは、現在でも私の診療の土台となっていることは間違いありませんし、分娩の本質を教わった気が致します。そのような意味で、『横浜市愛児センター』での勤務経験は、私の産科医としての正に『原点』であります。

誕生する赤ちゃんにとって、生まれる場所はその子の人生の原点の場所。ここを原点として立派に育っていって欲しい。そしていつでも原点に帰って頂きたい。そしてそれは、産むお母さんに対しても同様です。『原点での感動を忘れずに。』そんな願いは、産科医として当然のことであるでしょう。『愛児』という言葉は私にとって『原点』を意味します。『原点』ですからとってもシンプルです。飾り気はありません。しかし、飾り気がないからこそ本物の感動もあると思っています。

生まれてくる赤ちゃんとお母さんにとって素晴らしい原点でありますように、そしてお産という場面に立ち会う産科医としても原点を大切にしたい。そして皆、いつでも何かあれば原点に帰って考えて欲しい。そんな願いを込めて『愛児レディースクリニック』と致しました。

院長 李 芳男